
DHAは能の中に豊富に含まれている。 特に記憶学習の機能をつかさどっている「海馬」と呼ばれる部分には、能の他の部位の二倍以上の効率てDHAが存在している。また、学習能力が低下しても、DHAを補充することにより回復出来ることが証明された。ラットの実験で、DHAをとらなかったグループは、条件回避学習実験で明らかに学習能力の低下が見られた。
イギリスのルーカス博士らの研究では、DHAの豊富な母乳で育てた子供とDHAを含まない粉ミルクで育てた子供の八歳になったときの知能指数を比較した結果、DHAの豊富な母乳で育てた子供の知能指数のほうが10ポイント程高くなっていたことが明らかにされた。DHAの欠乏が長期にわたる場合、胎児、新生児の脳の成長に影響を及ぼす可能性がある。
乳児の脳や網膜の発達に重要な役割を果たすDHAは、母親が妊娠中にDHAを適切量摂取することにより胎盤経由で胎児中に蓄積され、授乳期においてもDHAの分泌を起こし新生児に供給される。
国立ガンセンターの若林敬二先生と高橋真美先生が行った、大腸ガンに対するDHAの効果の動物実験のでは、前がん病変が三分の一に抑制され、大腸ガンの発生も抑えられたと報告している。
国立がんセンターの飯郷正明先生は、ガンの肺転移に対するDHA効果を研究中で、マウス実験ではDHAを投与したマウスは、肺転移がかなり抑えらている。
乳ガン:アメリカのボーリング研究所で各種の油の投与による乳癌発生率を調べた結果、α-リノレン酸・EPA・DHAを与えた場合には乳ガン発生を抑える作用が期待できる。
女性ホルモンの分泌量が深く関与する乳ガンでは、血中コレステロールが増加すると、女性ホルモンの分泌が促進され、乳ガンや子宮ガンになりやすくなることも考えられている。DAH魚油の血中コレステロールを下げる作用が、子宮ガンなどの発生を抑えると考えられている。
悪玉コレステロールを排出し血中コレステロールを低下させ、肝細胞の微細構造にかなり良い影響を及ぼす。
DHAの坑動脈硬化作用が痴呆を防ぐ。DHAには動脈硬化の進行を最小限に抑える働きがあるので、脳血管性の予防に最適である。すでに、脳の血管障害によって脳細胞の一部がやられている場合でも、DHAは残っている細胞の活性化に役立ち、記憶障害などの改善に大いに有効である。
富山医科薬科大学の浜崎智仁先生は、糖尿病のラットにDHAを静脈注入すると血糖値が下がることを確認している。DHAの投与で、おそらくインシュリンに対する細胞の感受性が増して、血中の糖が細胞の中に入りやすくなったと考えられる。
血糖値の高い状態が続くと、網膜症や腎症、神経症などの合併症が引き起こされる。この内、腎症と神経症に対してDHAの豊富な魚油が有効であることを、東京慈恵会医科大学の森豊先生らが、実験で明らかにしている。
アルツハイマー型痴呆に対する効果については、NGF(神経成長因子)という、脳細胞の働きを高めるのに不可欠の栄養素の産生量を増やす働きがある。DAHが脳の中にたくさんあるとNGFの産生量が4〜5倍に増えることが分かった。アルツハイマー方痴呆で死亡した人の脳では、記憶学習機能を担う「海馬」の部分のDHA量が、通常の半分以下に減っているということが報告されている。
わずか1ヵ月のDHA摂取で、視力が0.2以上回復した人が40.7%もいた。また、小見川眼科クリニックの高橋英俊先生は、小学生を中心に27名に一ヶ月にわたり、毎日DHA300mgを含んだパンを食べてもらい、視力を測定した結果、11名の視力が明らかに向上していた。
58歳〜84歳までの男女15名(白内障11名・緑内障1名・合併症3名)に、三ヶ月間にわたりDHAカプセルを毎日6粒(DHA540mg)を飲んでもらった結果、15名中10名の視力が改善していた。
アトピー性皮膚炎の重傷患者にDHAの3ヶ月投与で、20人の内11人に改善が見られた。岐阜大学医学部の近藤直実教授は、アトピー性皮膚炎の小児62人にDHAカプセルを用い、50%の改善率をみている。