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第四回国際脂肪酸・脂質学会 ----ISSFAL2000 講演DHA関連論文概要



Takahata K (岡山大学農学部)
 U937細胞(リンパ腫細胞)の培養液中では、その細胞内のカルシウム濃度の上昇がDHAのアポトーシスの誘導と関係
 がある。
         
Tokudome S  (名古屋市立大学医学部)
 大腸良性ポリープを切除した患者を2年間にわたって観察した。その間、n−6系多価不飽和脂肪酸の摂取量を少なく
 、n−3系多価不飽和脂肪酸の摂取量を多くすると言う食事指導を行った人々では、アポトーシスが高まり、ポリー
 プの発生が減少した。
         
Suzuki H (農林水産省食品総合研究所)
 特養老人ホームにおける老人の痴呆度スコア(長谷川式)に及ぼすDHAオイルの投与実験と白内障・緑内障患者の視
 力に及ぼすDHAカプセルの効果についての研究成果を発表。
         
Crawford M(北ロンドン大学脳栄養化学研究所)
 「栄養と進化」と題して発表。心血管系疾患による死亡率の上昇は、陸上動物の食品、特に、その脂肪と関係があるこ
 とは重要なこ とであると考えられる。また、これは最近の精神疾患の増加とも関係がある。
         
Hamazaki T (富山医科薬科大学和漢薬研究所)
 「敵意性へのDHAの効果」と題して発表。50から60才のタイ人(男性22名、女性18名)を対象として、DHAカプセ
 ル(1.5gDHA/日)または植物油カプセルを2ヶ月間与え、二重盲検法にて敵意性に及ぼす影響を検討した。その結果
 、大学職員の場合、植物油群に比べDHA群では敵意性の増加の程度は低かった。しかし農民の場合は、有意な差は認
 められなかった。ホワイトカラーの者の場合は、DHAの敵意性抑制効果は若年層のみならず高齢層でも有効であっ
 た。この効果は、心血管系疾患の予防にも役立つものである。
         
Peet Mら (英国シェフィールド大学)
 フィンランド人(25から64才)3,004名に魚の摂取や精神症状についてのアンケート調査を行ったところ、1,767名から
 の回答があった。これらの回答を整理したところ、魚をよく食べる人の方がうつ病になったり、自殺を考えたりする危
 険性が有意に低いことがわかった。このことは、魚油がうつ病や自殺の危険性を軽減する可能性が有ることを示してい
 る。
         
Takahata K (岡山大学農学部)
 精神分裂症の患者45名が、EPAとDHAを別々に3ヶ月間摂取した。その結果、DHAを摂取した患者に比べEPAを
 摂取した患者の症状の改善度が良いことがわかった。
         
Silvers KM と Scott KM (ニュージーランド作物食品研究所)
 ニュージーランド人(15歳以上)4,644名に魚食の程度と精神状態についてアンケート調査を行った。その結果、魚の消
 費と精神状態の自覚症状との間に関係のあることがわかった。しかし、魚の消費と肉体的なものとの間には創刊がなか
 った。このことは、n−3系多価不飽和脂肪酸の欠乏は精神障害の原因となっているという仮説を指示している。
         
Demmlmair H ら(ドイツルイッヒマキシミリア大学)
 母乳中のリノール酸の約30%は、直接、食事から来ている。ジホモ-γ-リノレン酸の11%とアラキドン酸の1.2%は、食
 事性のリノール酸から体内合成されたものである。このことは、母乳中のアラキドン酸源としてのアラキドン酸の体内
 蓄積が重要であることを示している。また、大量のDHA摂取は、酸化度の上昇と関係が無く、母乳中の多価不飽和脂
 肪酸量の増加に役立つものである。
         
Min Y ら (北ロンドン大学脳栄養化学研究所)
 妊娠中の糖尿病の女性(32名)と対照の糖尿病の女性(39名)の血漿および赤血球のホスファチジルコリンの脂肪酸蘇
 組成を測定した。その結果、妊娠中の女性では、妊娠していない女性に比べ、赤血球のn−6(AA)およびn−3
 (DHA、DPA)脂肪酸のレベルが低かった。ところが、妊娠中の女性の血漿では、AAが高かった。したがって、妊娠中
 の糖尿病の女性では、血液中のn−3系多価不飽和脂肪酸が少ないことが明らかになった。 (AA=アラキドン酸)
         
Galli C ら(イタリアミラノ大学)
 喫煙の習慣は、母親の血漿脂質に影響を与える。そして、喫煙者の母乳中の総脂質、コレステロール濃度、LDL-コレ
 ステロール濃度は、非喫煙者のものよりも高い。さらに、非喫煙者の出産後1ヶ月および3ヶ月の母乳に比べ、喫煙者の
 ものではDHAのレベルが低いことがわかった。このことは、喫煙の習慣を持つ母親では、乳児へのDHAの供給が低
 下している可能性がある。
         
Stark KD(カナダゲルフ大学)
 女性の血清リン脂質の脂肪酸組成のうち、特にDHAは閉経やホルモンの利用にり影響を受けることを発表。即ち、内
 因性または外因性の女性ホルモンが増えると、血清脂質中のDPAやDHAを含むn−3系多価不飽和脂肪酸濃度が低下す
 る可能性があることを示唆した。DPAやDHAの血中濃度は、心血管系疾患などの病気と関係が深いため、この結果は興味
 深いものである。
         
Terano T ら(千葉市立病院内科)
 高脂血症患者(25-55才、コレステロール値が200mg以上、中性脂肪が150mg以上)20名に、DHA-トリグリセリドを1g含
 むパンを毎日1個1ヶ月間摂取させた。その結果、摂取による副作用はなく、1ヶ月間で、血清の総コレステロール値およ
 び中性脂肪濃度の低下が認められた。

 

 

1999年日本脂質栄養学会第八回大会総説より
Jouranl of Lipid Nutrition 1999/9/9-10


病院で使われている特殊粉乳、離乳食などの不適切な必須脂肪酸バランス
名古屋市立大学薬学部生物薬品化学 林博道ほか
アトピー性疾患の伝統和食療法では、リノール酸摂取を減らしオメガ3系脂肪酸の比率を高めることで良い治療効果を上げ
ている。
公立病院で使用されている特殊粉乳、離乳食およびその他病院食素材より脂質を抽出して脂肪酸組成分析を行った。
その結果、調べた粉乳のリノール酸含有量は25-66%と非常に高く、離乳食と他の食材も3-55%であった。日本脂質栄養学
会ではn-6/n-3比=2.0を勧めているが、病院食素材はいずれも6.7以上であった。リノール酸含量を大幅に減らしn-6/n-3比
を下げる必要がある。
         
マウスの場慣れ行動に及ぼすDHA給餌の影響
富山医科薬科大学和漢薬研究所 金川裕子ほか
二世代にわたるオメガ3(n-3)系脂肪酸の欠乏は脳内DHA含量を低下させ、学習能や行動に影響を及ぼすと報告されてい
る。
これまで我々は、DHAをヒトに3ヶ月間投与したところ、精神的ストレス時の敵意性亢進を抑えることを確認した。本研究
では、DHAが情動に影響する機構を解明するために、DHA給餌がマウスの場慣れ行動に及ぼす影響を検討した。
その結果、DHA投与群では新奇環境に対する場慣れが良い結果が得られ、脳内のDHA含量が短期間投与にも関わらず優位に
増加しており、このことが場慣れ行動の変化に関わっていると推測できる。
         
老人の脳機能に及ぼすDHA投与の影響
森川病院 森川洋一・農林水産省食品総合研究所 鈴木平光ほか
DHAは脳に多いことや記憶学習能の維持・向上効果があることが知られている。また老人の脳機能向上に役立つ可能性があ
ることが推測されている。そこで老人ホーム入居者を対象にDHAを投与して、投与前・投与後の記憶学習能および日常生活
について観察した。 
入居者30名に対してDHAカプセルを一日3回食後に5-8粒、6ヶ月間投与し長谷川式簡易知能評価スケールにて評価した。
その結果、DHAを投与することにより、全体の57%に改善が認められたが、痴呆でない人の改善率は75%で痴呆の予防にも
有効であることが考えられる。また、日常生活においても変化が見られ、特に表情が豊かになり、的を射た反応をするよ
うになることが観察された。 
DHAは、血中コレステロールを減らして、動脈硬化を防ぐ作用がある。日本人に多い脳血管性痴呆症は、脳の動脈硬化が原
因の場合が多い。DHAはこの脳の動脈硬化の進行を食い止め、また、脳血管障害が進行して脳細胞の一部が壊死してもDHA
を補給すれば残った細胞は活性化されるとも言われている。
         
ラット大腸癌肝臓転移モデルによるオメガ3ならびにオメガ6多価不飽和脂肪酸の影響
関西医科大学第2外科・第2病理 岩本慈能ほか
多価不飽和脂肪酸は、大腸癌の発生・増殖・転移に影響を与えるとされている。今回、オメガ3系ならびにオメガ6系多価
不飽和脂肪酸のラット大腸癌肝転移への影響について比較検討した。
その結果、オメガ3系脂肪酸食群では肝臓転移抑制、オメガ6系脂肪酸食群では促進効果を示した。また、ガン細胞の転移
に関与する接着分子に対する多価不飽和脂肪酸の影響が示唆された。
         
重症気管支喘息症例に対するリノール酸制限食の効果
JA北海道厚生連鵡川厚生病院・JA北海道厚生連帯広厚生病院 井齋偉矢ほか
頻回に発作を起こす重症気管支喘息入院症例の食事中脂肪酸のn6/n3比を下げることにより臨床症状が軽減し呼吸機能が
改善するか否かを検討した。病院特別食として総エネルギーの60%を穀物から摂取し、野菜、魚介類を中心としたリノー
ル酸制限食を与え、毎月血中脂肪酸組成と呼吸機能検査を実施した。
その結果、リノール酸制限食の開始後9ヶ月以降血中脂肪酸n6/n3比が恒常的に2以下となり、それに伴い喘息治療薬使用
量の減少と呼吸機能検査値の改善が認められた。また、喘息患者の臨床症状改善に寄与する可能性のあることが示唆され
た。
         
高齢者の視力に及ぼすDHA投与の影響
小見川眼科クリニック 高橋英敏・農林水産省食品総合研究所 鈴木平光ほか
前回我々は、DHA摂取により若年者の近視眼の視力が向上することを報告した。高齢化が急速に進んでいる現代社会で、老
化に伴う眼疾患も増加しつつある。今回、DHA摂取により高齢者の視力が向上するか否かについて検討した。
58才〜84才(平均71.5才)の15名を対象にDHAカプセル6粒(540mg/日)を毎日摂取し、視力検査を行った。
その結果、15人中10名に視力の改善効果があった。この内訳は、白内障の者で11人中8名、緑内障の者で1人中1名、両疾患
合併症の者では3人中1名であった。また、緑内障眼で改善と判定した者の視野に明らかな改善が認められた。
         
加齢ラット脳に及ぼすDHAの抗酸化作用
島根医科大学 橋本道夫ほか
最近我々は、DHAを経口投与した若/加齢ラットの空間記憶能力が優位に向上することを見出し、DHAが記憶形成に関与する
可能性を報告した。しかし、多価不飽和脂肪酸の増加は脂質過酸化を増加させ、細胞障害を起こすことが知られているこ
とから、今回、高コレステロール食加齢ラットにDHAを経口投与し、DHAによる脂質過酸化への影響を検討した。
その結果、DHAは、大脳の抗酸化酵素の活性化を促進し、脂質過酸化を抑制することから、その生理的意義として、大脳に
おける抗酸化作用を有する可能性が示唆された。

 

1998年日本脂質栄養学会第七回総説より抜粋


ドコサヘキサエン酸による大腸発ガン抑制に関する研究
国立がんセンター研究所 がん予防研究部 高橋真美

1 はじめに大腸ガンの発生には食事等のライフスタイルが大きく影響することが知られている。近年摂取する脂肪の種類によりガン発生に対する影響が異なることが明らかにされてきた。動物実験では、牛脂及びn-6系多価不飽和脂肪酸が多いコーン油やサフラワー油が大腸ガンや乳ガンを促進することが報告されている。
一方、n-9系一価不飽和脂肪酸が多いオリーブ油やヤシ油、n-3系多価不飽和脂肪酸の多く含む魚油には発ガン促進作用がないことが示され、魚油に関しては、かえって発ガン抑制的に作用することがわかってきた。魚油に多く含まれるDHAは、EPAと同様に、血中脂肪低下作用や抗血栓作用を持ち、さらに学習機能向上作用、網膜反射能向上作用等、脳や網膜で重要な生理活性を有する脂肪酸である。マグロの眼窩脂肪より高純度に精製されるようになり、健康食品として販売されているほか、医薬品としても検討されている。

2 DHAの大腸発ガン抑制効果
1)DMHで誘発されるラット大腸のACFの抑制ACF;大腸線腫症や大腸ガン患者の大腸粘膜にはACFが高頻度に存在する。DMHにより誘発した大腸ガンラットにDHAを投与した群ではACFの発生と増殖の両方に対して抑制効果を持つことが分かった。
2)AOM誘発ラット大腸発ガンの抑制
3)加熱食品中に存在する大腸発ガン物質(PhIP)により誘発されるACFの抑制
4)Apcノックアウトマウス(ヘテロ接合対)における腸ポリープ発生の抑制DHA3%添加飼料を投与したところメスでは腸ポリープの発生数が基礎食群の31%にまで減少した。

3 DHAの大腸発ガン抑制メカニズムについて
1)プロスタグランジン産生阻害
2)発ガン物質の代謝活性化の阻害
DHAの摂取により活性化型発ガン物質の生成が抑えられ、その結果、PhIP等のDNA付加体レベルが減少し、大腸のACFや腫瘍の発生個数の減少に寄与すると思われる。
3)誘導型一酸化窒素合成酵素の誘導阻害
一酸化窒素(NO)の過剰な生成はDNA損傷を引き起こしたり、血管新生を誘導したりして、発ガンに対して促進的に働く。DHAは一酸化窒素合成酵素の誘導を抑制することよりNO産生を抑制し、発ガンに対して抑制的に働いている可能性がある。
4)コレステロール合成系阻害によるRas蛋白質のファルネシル化阻害
n-3系多価不飽和脂肪酸投与によりコレステロールレベルも低下するので、ステロイドホルモンや胆汁酸の産生にも抑制的に働き、発ガンを減少させることが考えられる。
5)その他
DHAは細胞膜の流動性を変えたり、細胞膜表面抗原や接着分子の発現を抑制したり、ホスホリパーゼA2やプロテインキナーゼA及びCの酵素活性を変化させたりする事が報告されている。更に、ホルモン産生の調節にも関与している。これらの作用もDHAの発ガン抑制機構に寄与している可能性がある。

4 まとめ
DHAは様々な生理活性を持っており、その作用メカニズムは1つではなく複雑である。DHAあるいは魚油は、発ガン抑制以外にも、潰瘍性大腸炎やクローン病、高脂血症、高血圧、自己免疫疾患、痴呆症等の改善に用いることが試みられており、健康を保つための重要な食品成分の1つとして注目されている。n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取が少ない欧米型の食生活が中心となってきた現代において、DHAは広く疾患を予防するものとして、その効果が期待されている。

 

 

 

1997年第6回脂質栄養学会研究報告−DHAに関する投稿概要
APAN SOCIETY FOR LIPID NUTRITION


●食餌性脂肪酸と大腸癌/ランズ賞受賞講演
秋田大学医療技術短期大学部 成沢富雄
高脂肪食が癌の発生を促進すると考えられ、それは欧米型癌の代表である大腸癌と乳癌で特に研究されてきた。脂肪の種類すなわち構成脂肪酸の違いが注目され、ω6脂肪酸は癌を促進、ω3脂肪酸は抑制するとする仮説が証明されてきた。ラットを使った実験ではω6/ω3比が5.0あるいは3.0によって大腸発癌を十分に抑制することを示唆している。過剰な脂肪の摂取を避けるとともに、ω3脂肪酸の摂取の増加に心がけるべきである。

●血管内皮細胞のプロスタサイクリン産生に及ぼすEPAおよびDHAの効果
東北大学大学院・薬・病態分子薬学 山崎研ほか
EPAおよびDHAによる抗血栓作用は、血管内皮細胞のPGI3の産生増加がその一因になるものと考えられる。

●母獣のアルコール飲用が出生仔に与える影響に対するDHAの修飾作用について
東海大学医学部・環境保健学・地域保健学 古屋博行ほか
母体が妊娠中にアルコールを飲用することにより、出生仔に学習・行動での中枢神経障害が認められている。一方、不飽和脂肪酸のDHAは学習能を向上させ情動を安定させる等の効果が報告されている。そこで妊娠ラットにアルコールと同時にDHAを投与し、出生仔の学習行動、自発行動、脳生化学について検証した。

●日本人の結腸がん死亡率と脂肪酸摂取の相関分析
国立健康・実践女子大・川崎医療福祉大 辻啓介ほか
日本人における結腸癌の増加は、脂肪摂取量の増大に伴って加速的に起こり結腸癌脂肪率に関与している。1952年から1995年の脂肪酸摂取量は飽和脂肪酸(S)が3.5倍、1価不飽和脂肪酸(M)が3.9倍、多価不飽和脂肪酸(P)が2.1倍に増加した。データの中で脂肪率ともっとも高い相関を示したのはP/S比率であった。

●抗癌剤誘発脱毛に対するDHAの抑制効果の選択性
岡山農大・相模中央研究所・ミュンヘン大学医学部 高畑京也ほか
細胞周期依存性の抗癌剤であるAraCおよびVP-16によって誘発された脱毛に対してはDHAの抑制効果が認められた。一方、細胞周期非依存性のエンドキサン誘発脱毛に対しては無効であった。このことより、DHAの作用発現には細胞周期の関与が示唆された。

●健康学童の脂肪酸組成からみた食事傾向
下関市立中央病院小児科 永田良隆
1996年4月〜8月に下関市健康学童9〜12才101名の血漿脂肪酸組成を検討した結果、n-3/n-6比が0.16±0.04であった。また、アトピー性皮膚炎の小児が0.18、同成人が0.18で今回の学童と同様の傾向であった。以上より、健康児の食生活は完全に欧米化してしまい、和食の原型を留めていない。この傾向はアトピー患者においても同様である。したがってアトピー患者だけが特別の食事をしているわけではなく、たまたまアレルギー体質傾向の強い人が発症しているに過ぎないことを示唆している。それ故にアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患を減少させるには和食中心のn-3多価不飽和脂肪酸優位な食生活に戻す必要があることを強調したい。

●近視者の視力に及ぼすDHAパンの影響
小見川眼科・株式会社スゴウ・農林水産省食品総合研究所 高橋英敏ほか
視力低下で受診した4才から22才の27名を対象に300mgのDHAを含有するパンを一日一個摂取して2週間後、4週間後の視力測定をした結果、散瞳下の調節麻痺後の視力が改善したもの11名であった。そのうち両眼とも改善したもの7名で、無散瞳下でも視力改善したものは4名であった。

●DHA投与による脳内脂肪酸の組成変化と記憶学習に対する効果
島根医大第一生理・神戸大学医学部・ハリマ化成 蒲生修治ほか
DHAの記憶に対する作用の機構を解明するために、脳内の脂肪酸組成と過酸化脂質レベルを測定し迷路課題の成績との関連性について検討した。その結果、DHA投与群において優位な成績の向上とDHAの優位な蓄積が認められた。大脳皮質および海馬は記憶の形成に深く関与する部位である事はよく知られている。本研究では両部位でのDHAの増加が認められた事により、DHAはこれらの部位における記憶の形成に何らかの作用を持つと考えられた。またDHAの過酸化脂質レベルの違いからDHAは大脳皮質と海馬では異なる機構で作用している可能性が示唆された。

●未熟児・新生児におけるDHA値について
県立岐阜病院新生児科・岐阜大学小児科・岩佐マタニテイー 加藤智美ほか
近年、DHAの新生児・乳児の脳・網膜の発達や機能的役割に及ぼす影響に関する研究が盛んに行われるようになり、DHAの十養成が明らかになってきた。今回我々は未熟児・新生児のDHAの値の推移および乳児・学童のDHAの値について調査・検討を行った。その結果、出生体重別にみると生後2週間以内では1500g未満児は0.473(±0.165)、1500g以上2500g未満児は0.545(±0.158)、2500g以上児は0.648(±0.119)と出生体重が少ないほどDHA値が低値であった。DHA値が3.0以下の症例は生後2週間以内で2例みられ、1例は在胎30週・出生体重1417gの男児で脳室周囲白質軟化があり、もう1例は在胎32週・出生体重1946gの男児であった。ペルオキシソーム欠損症のZellweger syndromeではDHAは低値をとり、DHAの神経系の発達に及ぼす影響も示唆されている。

●神経芽腫細胞(Neuro 2a)に対するDHAの影響
岡山大学農学部 国沢彰子ほか
近年魚油由来の高度不飽和脂肪酸であるDHAの神経機能活性化が注目されている。今回我々はマウス由来の神経芽腫細胞(Neuro 2a)を用いて神経分化へのDHAの影響およびその作用機序について検討した。その結果、
1)Neuro 2a細胞にDHAを処理すると神経突起形成が促進された。
2)DHAの神経突起形成には細胞内cAMP上昇やカルシウム−カルモジュリン系の活性化は関与していないことが示唆された。

●糖負荷試験(75g oGTT)と血中カテコラミン濃度に対するDHAの効果
富山医科薬科大第一内科 澤崎茂樹ほか
精神的ストレス下にある医学生15名を2群に分けて糖負荷試験(75g oGTT)と血中カテコラミン(epinephrine, norepinephrine, dopamine)濃度に対するDHAの効果を調べた。その結果、精神的ストレス下においてDHA投与によりnorepinephrine濃度が服用前より優位に低下した。ストレスが関与するといわれる高血圧症や虚血性心疾患の治療に役立つ可能性がある。

●ω-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)の抗動脈硬化作用ー脂質過酸化物の役割
千葉市立病院内科 寺野隆
ω-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)に抗動脈硬化作用のあることが知られる。その機序を血管平滑筋細胞増殖抑制面より検討し、PUFA由来過酸化物の産生もふまえて考察した。大量の過酸化脂質がcytotoxicに働く事は良く知られるがω-3多可不飽和脂肪酸より産生される少量の過酸化脂質が増殖抑制、COX活性化などを介して抗動脈硬化作用を発揮する可能性が示唆された。

●DHAと血栓形成−PITモデルを用いて−
浜松医大薬理学 中島光好ほか
フィッシュオイルは多くのEPAとDHAを含んでおり、血栓性心血管病変に有効であると報告されている。純度の高いDHAを用いてDHA負荷による血栓形成への影響を検討した。DHA負荷によりEx-vivoでの全血血小板凝集を抑制し、さらにトロンボキサン産生をよくせいしたことが、血栓形成の抑制に大きな役割をしていることが考えられたが、DHAは幕の流動性、受容体の親和性、イオンの透過性、細胞変形性、酵素活性などを亢進させ、さらに血小板粘着抑制作用といった多彩な硬化を持っており、DHAの抗血栓作用はこれらが複合的に関与していると思われる。

●U型糖尿病モデル(OLETF)ラットの耐糖能インスリン感受性に及ぼす食餌脂肪酸の影響
名古屋市立大学薬学部・お茶の水女子大学理学部 山下徹ほか
牛脂群、サフラワー油群に比べシソ油群で、牛脂群に比べ魚油群で優位にインスリン感受性が上昇していた。また血清中のコレステロール量は牛脂群、サフラワー油群に比べシソ油群、魚油群で優位に低かった。また、魚油群では他の食餌群に比べ精巣上体の脂肪体組織重量が優位に低かった。長期にわたるn-3系列食餌脂肪酸の摂取は・型糖尿病モデルラットのインスリン感受性を上げることがわかった。

●フリーラジカル(活性酸素)傷害における過酸化脂質の生理的役割
名古屋大学薬学部 奥山治美
「過酸化脂質をつくりやすいn-3系脂肪酸はとりすぎないように」という栄養指導は間違いであり、n-6/n-3比率を下げることによってフリーラジカル病は抑えられることが証明されている。リノール酸(n-6)の過剰摂取は細胞のアラキドン酸を増やし、それ由来のエイコサノイドをアンバランスに過剰に作らせる。これが虚血・炎症を促進する。一方n-3系列はリノール酸代謝を競合的に抑制し虚血・炎症を抑える。すなわち、体内では自動酸化能の不安定なn-6系列がフリーラジカル(活性酸素)傷害を促進し、空気中では不安定なn-3系列が抑制する。
リノール酸系→虚血、炎症→フリーラジカル→老化→ガン化、動脈硬化
また、同氏は脂肪酸バランスについて、n-6/n-3比の上昇にともなう欧米型ガンの死亡率、アレルギー患者数の急上昇している現状から、学会でも論議を重ね、内外の専門家の意見とともに、欧米型ガンなどの予防のためには、
1)脂質エネルギー比率を20%程度とする
2)リノール酸摂取量を大幅に減らすこと
3)若年層のn-3系列脂肪酸の摂取増を勧めること
の3点で意見が一致した。n-6/n-3比の推奨値は2で受け入れられた。国際学会(ISSFAL)前会長のLeaf教授は2〜1を推奨している。と発表しています。また、この中で植物油脂の有害性についても述べています。

 

 

1996年第5回脂質栄養学会研究報告−DHAに関する投稿概要
JAPAN SOCIETY FOR LIPID NUTRITION



●新生ラットにおけるn−3系列多価不飽和脂肪酸の生理的意義
明治乳業 栄養科学研究所 米久保 明得
新生ラットに対して母乳レベルのDHAを与えたときの生理的意義を確認する研究を行ってきた。離乳直後のラットでは魚油摂取により肝臓中のDHAレベルが増加した。母乳中のDHAレベルは魚油摂取により有意に高かった。胎児および仔ラットの肝臓および脳中DHAレベルも魚油摂取により有意に高かった。仔ラットの学習能力は魚油摂取の方が優れていた。母乳レベルのDHAを母体経由で胎児に与えることは、その後の肝機能を悪化させず、食事由来のDHAの直接取り込みが増加し肝臓および脳中のDHAレベルを高め、出生後のラットの脳の機能改善のために重要な役割を果たす物と考えられた。

●ラット脳虚血に対するDHAエチルエステルおよびリン脂質体の効果
昭和薬科大学・相模中央研究所 大滝博和ら
降圧薬の普及により脳血管障害による死亡率は減少しているが、生活様式や食生活の欧米化にともない、脳動脈硬化を基礎とした脳虚血性疾患はむしろ増加傾向にある。脳虚血性疾患に対する多価不飽和脂肪酸の効果を明らかにすることを目的とし、ETA,EPA,DHAの前投与による脳虚血に対する効果を検討し、DHAがラットの脳虚血モデルに対し予防的効果を有する事を見い出した。DHAの脳虚血に対する効果はエステルおよびリン脂質誘導体にかかわらずDHA本体によるものと考えられる。

●青年の食習慣が血清脂質に及ぼす影響
広島文教女子大学・名古屋市立大学薬学部・広島県安佐医師会・福山大学工学部 鎌田澄江ら
青年の摂取脂肪酸総量は56gで魚食(35g)やベジタリアン(47g)に比べてやや多かった。n-6/n-3比はベジタリアンが最も高く(10.4)青年が(4.95)魚食(1.30)の順であった。血清中のアラキドン酸の占める割合はベジタリアンが12%で最も高かった。ベジタリアンではn-3系列脂肪酸の摂取が殆ど見られないことが影響し、リノール酸からアラキドン酸への変換を促進したと考えられる。

●慢性腎不全透析患者の食事脂肪酸と血清脂質レベルの検討
東京家政学院短期大学・東京医科大学腎臓科 金沢良枝ら
慢性腎不全の透患者の食事療法を脂質栄養学面から検討した。透析患者22名、CAPD患者36名。
透析患者の脂肪摂取量は第5次日本人栄養所要量と比較して適切と思われたが、質的な面でα-リノレン酸やDHA、EPAなどのn-3系を増やし、リノール酸などのn-6系を減らす必要があると考えられた。

●腎不全患者に対するn-3系多価不飽和脂肪酸の栄養指導
増子記念病院臨床栄養課・内科 猪飼久美ら
腎不全期においては、動脈硬化性疾患を呈しやすく、血清脂質のコントロールは大変重要となる。n-3系多価不飽和脂肪酸は血清脂質代謝異常の改善に有効であり摂取脂肪酸について食事指導を深める必要性を認識した。患者への栄養指導によりn-3系多価不飽和脂肪酸の知識は向上したが、使う側の認識度は低く、我々栄養士が積極的で頻繁な栄養指導を実施し患者の理解を促する必要がある。

●ドコサヘキサエン酸(DHA)による神経細胞死抑制作用
岡山大学農学部・ミュンヘン大学医学部 高畑京也ら
再生不能の神経細胞が何らかの障害により過剰に死ぬと痴呆患者などの神経機能障害が誘発される。坑痴呆作用が期待されるDHAの神経細胞死抑制作用を神経細胞のモデル細胞であるPC12細胞を用いて検討する。結果、エトポシト添加により、濃度依存的な細胞死が誘発され、またDNAの断片かが検出された。これに対し、DHAはシクロヘキシミドと同様に濃度依存的な細胞死抑制作用を示した。K-252aで誘発した細胞死に対してもDHAは抑制作用を示した。PKC非感受性のジメチルスフィンゴシンで誘導した細胞死はDHAで抑制された。
結論、DHAは少なくともPKCの関与する神経細胞死誘発機序に対し、抑制的に作用することが示され、坑痴呆作用の一部が示唆された。

●妊娠中毒症の母親における細胞膜脂肪酸組成の変化と子宮内胎児発育遅延
神戸大学医学部産科婦人科学教室・奈良県立医大産科婦人科学教室 西島光浩ら
妊娠中毒症母児の赤血球膜脂肪酸組成と赤血球変形能を分析し子宮内胎児発育遅延発症との関わりを検討した。結果、妊娠中毒症群の母児に認められる赤血球膜中のn-3系多価不飽和脂肪酸量の低下は赤血球変形能を低下させる結果、子宮胎盤循環障害が起き、子宮内胎児発育遅延発症の一因となっている可能性が考えられた。

●脳卒中易発症性ラットの寿命に及ぼす食用油の影響
名古屋市立大学薬学部 黄敏昭ら
ラットの餌に油脂を5〜10重量%の割合で加え、脳卒中易発症性ラットの寿命に及ぼす食用油の影響を調べた。
結論 脳卒中ラットの寿命を指標とした食用油の安全性
◆寿命延長効果を示し安全なもの高DHA魚油・エゴマ油
◆n-6/n-3比が高くエゴマ油(紫蘇油)に比べ10%前後の寿命短縮効果をしめすもの
大豆油・高リノール酸紅花油・発酵油・ラード
◆脳卒中促進因子を含むと考えられ、エゴマ油に比べ40%前後の寿命短縮効果をしめすもの
菜種油・高エルカ酸菜種油・月見草油・高オイレン酸紅花油・高オイレン酸ひまわり油等

 

 

 

第二回国際油脂学会(ISSFAL:1995年3月)抜粋DHA関連論文概要


●Sameline Grimsgaardら(ノルウエイ)
DHAは血清トリグリセリド濃度を低下させHDL−コレステロール(善玉)濃度を顕著に増加させる。EPAと異なる影響を与える。

●G.S.Rambjorら(アメリカ)
DHAはHDLの代謝に対してEPAにはない特異的な作用をする。魚油投与によるLDL増加はEPAによる。

●T.Raynerら(オーストラリア)
EPAとDHAの腎臓内のレベルを上昇させることによって高血圧症進展時(1MO)と高血圧症完成時(4MO)の先天性高血圧ラットの末期腎不全を防ぐことが明らかになった。

●R.Groscolasら(フランス)
EPAとDHAの投与により、異なる脂肪酸の高脂肪食摂食で誘導される腹腔内の肥大を制限することが出来る。その制限はDHAのみの場合がより効果的であった。

●Norman Salemら(アメリカ)
アルコール濫用により脳内や網膜のDHAレベルが下がり、オメガ3の欠乏症が生体内でも発祥することが明らかになった。ヒトの研究からアルコールによる必須脂肪酸の異化を非常に促進することが示された。

●R.J.Pawloskyら(アメリカ)
アカゲザルにおいて中程度のアルコール消費は脂質酸化レベルを上昇させ、最終的に血漿リポタンパク質・肝臓・赤血球および神経組織の高度不飽和脂肪酸量の減少を招く。

●K.S>Bjerveら(ノルウエイ)
血漿リン脂質におけるDHAの濃縮に対してDHAの食事による取り込み濃縮は効果的であるが、1日に何本もタバコを吸う場合は濃縮に効果がなかった。 未熟児の母親や喫煙する母親では脂肪酸の代謝が変化することを示している。

●D.Raederstorffら(スイス)
激痛モデルにおける効果はDHAの方がEPAよりも効果があった。

●K.Solumら(ノルウエイ)
幾つかのヒトのガン細胞系がDHAやEPAに対して敏感であること見出した。

●E.Stragliottoら(イタリー)
疫学的研究によってオメガ3脂肪酸の多い食事をとっているエスキモーにおいてタイプU型糖尿病とischamic心臓病の低い発生率が実証された。非インシュリン依存性糖尿病患者へのDHA・EPAの投与は糖代謝に否定的な影響を与えなかった。

●Xi Qian Liuら(アメリカ)
ラットを使ったテストでDHAの投与と記憶効果とは正の相関があり投与量に依存的であった。

●David Kyle(アメリカ)
DHAは神経・網膜組織だけでなく新造組織にも高濃度に存在する。DHAレベルの低下はペルオキシゾームの疾患・老人性痴呆症・パーキンソ ン病・精神分裂症・晩発性運動障害・重金属毒性・色素網膜炎等により生じるものも含めて多くのタイプの神経機能障害に関与している。幼児期での脳が活発に成長する時期ではαリノレン酸による体内合成では成長するDHAの要求量を満たすことは出来ない。

●Pnina Greenら(イスラエル)
DHAの羊膜内注射を子宮内必須脂肪酸欠乏や胎児の成長延滞の予防に対する適用について検討中である。

●William E.Connorら(アメリカ)
妊娠中の女性にDHAの豊富な食事をわずか9週間与えるだけで新生児のDHAレベルを大きく上昇させることが出来る。

●Mnique D.M.AIら(ニュージーランド)
現在妊娠した女性の食事には胎児への供給を保証するだけのDHAを含んでいないため、母体のDHA摂取を増やすことは母子双方にとって有意義である。経産婦ではその回数が増すに従って血漿中のDHAインデックスが低下し新生児のDHA状態を適正値以下に悪化させる。

●Ricardo Uauyら(チリ)
DHAは乳幼児において必須脂肪酸と考えるべきである。ペルオキシゾーム異常や色素性網膜炎など脂肪酸鎖長延長活性や不飽和活性化を先天的に欠いている患者にとって必要であろう。

●M.A.Crawford(イギリス)
妊娠中においてドコサヘキサエン酸(DHA)・アラキドン酸(AA)は細胞構造の発達に必要である。第一条件は受胎前の3ヶ月である。妊娠中胎児の血流中ではDHAとAAの割合が高いが未熟児の場合は反対にリノール酸が多い。現在使用されている脂質栄養の処方はリノール酸に偏っているがこれは未熟児には不適切である。人工栄養で育った子供は母乳で育った子供に比べDHA含有量が少なく、未熟児として人工栄養で育った子供のIQは母乳に比べて8才の時点で8ポイント少ない。

 

 

国内業界関連学会研究発表概要:1995年4月


●DHA投与によるアトピー性皮膚炎の臨床
近藤直実ら:岐阜大医学部小児科教授
男児29名女児33名の計62名のアトピー性皮膚炎(AD)患者(年齢11±5.9才)に対してDHAを45mg/kg/dayで3ヶ月以上投与した結果、62例中50%に当たる31例で改善傾向が見られ、この内の9例(15%)には明らかな改善が見られた。

●痴呆症患者に対するDHAの臨床的検討
宮永和夫ら:群馬大学医学部
脳血管性痴呆症13名・アルツハイマー症5名に対してDHA70mg/粒を含有するカプセルを1日10〜20粒を6ヶ月以上投与した結果、13人の脳血管性痴呆症の内10名に改善(9名)〜やや改善(1名)との結果が得られ、アルツハイマー症の場合5名中全例でやや改善との精神症状の結果であった。精神・神経症状の改善の内訳を検討した結果、意志伝達の改善・意欲発動性の向上・せん妄や徘徊の減少も見られている。また知的機能簡易検定の結果、6ヶ月間で計算能力・判断力および高次機能に有為な改善が見られた。

 

第一回国際油脂学会(ISSFAL:1994年6月)抜粋DHA関連論文概要


●R.Uauyら(チリ)
30週齢の新生児にDHA添加を含む3種類の人工乳を与えてテストした結果、血漿・赤血球脂質脂肪酸に著しい差が見られ、DHA添加で視覚機能・大脳皮質の機能向上もみられた。

●E.C.Jamiesenら(スコットランド)
17人の死亡児の大脳皮質の脂肪酸(DHA)を測定した結果、母乳と同程度の脂肪酸を与えないと大脳皮質の神経細胞の膜構造に差が生じてしまう。

●A.Leaf(アメリカ)
ペリオキシゾーム異常を伴う小児は脳および多の組織の不飽和脂肪酸型にかなり異常が見られDHAが減少している。同症の患者の食事を調べると脳および網膜に対しては未熟児の時期の栄養のアンバランスの影響が大きく見られる。

●Eric R.Brownら(アメリカ)
傾向備光法で調べた膜流動性はDHAに富んだ細胞内では16%まで増加したが、EPAに富む細胞内では著しい変化は見られなかった。LDLレセプター量はDHAが存在すると25%まで増加し、EPAが存在すると13%まで増加した。

 

 

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